冬になると「乾燥してるから火事が多い」とよく言われます。これは感覚的なものではなく、実際に消防庁の統計や全国の消防本部でも“冬〜春先は火災が増える時期”として注意喚起が行われています。
まず、消防庁の最新火災統計(2024)では、1年間の総出火件数は37,141件。季節別にみると、冬から春にかけての時期(おおむね12月〜4月)が突出して多く、全火災の約6割がこの期間に集中していると分析されています。
さらに、報道でも「12月〜3月は火災件数が増える」と繰り返し取り上げられています。空気の乾燥・暖房器具の使用増加・料理の増加が重なるため、出火要因が多い季節なのは間違いありません。
ただし、火災は“冬だけの問題”というわけではなく、夏も秋も一定数は発生しています。年間を通して油断できないものですが、冬は「火災リスクが跳ね上がる季節」と認識しておく必要があります。
冬に火災が増える理由 — 乾燥と生活環境の変化
1. 空気が乾燥し、火がつきやすく燃えやすい
冬は湿度が極端に下がります。木材・紙・布などは乾燥すると可燃性が高まり、少しの火種から一気に燃え広がるリスクが上昇します。
また、乾燥により静電気やホコリが溜まりやすくなり、コンセント周りで起こる「トラッキング現象」の原因にもなります。
2. 暖房器具の使用増加
電気ストーブ・石油ストーブ・ヒーター・こたつ・ファンヒーターなど、火や熱を出す機器を長時間使うため、可燃物への接触や誤った使い方で火災につながりやすくなります。
3. 調理の頻度が増える
冬は鍋料理・煮込みなど長時間の加熱を行う料理が増えます。そのため、火のそばを離れたり、油の温度が上がりすぎたりして火災に発展するケースが増えます。
4. 季節風や乾燥した風
特に1月〜3月にかけては乾燥した強い風が吹く地域が多く、火災が発生すると延焼が早く進む傾向があります。
年間で火災が多い時期 — 統計からみる傾向
- 火災は12月〜4月がピーク
- 最も多い月は1月
- 続いて12月、3月、2月の順に多い
- 梅雨〜夏は湿度が高く件数はやや減るが、電気火災・タバコ火災は通年で発生
- 年間ではおおむね3~4万件規模で推移している
つまり、「年間で火災はいつ多い?」と聞かれれば、答えは明確に冬と春先です。
冬に特に注意すべきポイント
- 暖房器具の近くに洗濯物や布団を置かない
- 外出・就寝前は必ず暖房器具の電源を切る
- 石油ストーブの給油は火が完全に消えてから行う
- 調理中はその場を離れない
- コンセントまわりのホコリ掃除をする
- 古い電源タップ・延長コードは交換する
- 子どもの火遊び対策をする(ライターの保管場所を変えるなど)
冬の火災を防ぐ具体的な対策
- 暖房器具の安全距離を確保する
ストーブから1m以上は物を置かない。 - 燃焼系暖房器具は定期的に点検する
煙突・排気口のホコリ、フィルターの詰まりを掃除。 - 料理中の“ながら作業”をやめる
電話・入浴・洗濯・寝落ちは特に危険。 - 電源タップの使用状況を確認する
タコ足配線・古いコードは火災の主因。 - 住宅用火災警報器を必ず設置
電池切れや故障チェックも忘れず。 - 子どもに火の危険性を教える
火遊び防止は冬こそ必須。 - 毎日の「火元チェック習慣」をつける
外出前・就寝前の1分で大きな火災は防げる。
乾燥が火災リスクを高める理由(少し専門的)
乾燥すると材料内部の水分が減り、わずかな熱でも発火温度に達しやすくなります。また、静電気が発生しやすく、ホコリが帯電して電気火災の火種になるケースも確認されています。
乾燥+暖房の組み合わせが強烈で、室内の湿度が30%以下になると火災リスクが特に高まります。
冬の火災を防ぐためのまとめ — 「乾燥の季節=要注意」
冬は乾燥・暖房・調理・風と、火災リスクが重なる季節です。ですが、日々の点検と正しい使い方でリスクは大幅に下げられます。
- 暖房器具と可燃物の距離をとる
- 料理中は火のそばを離れない
- 配線・タップの劣化チェック
- ホコリ掃除の習慣化
- 火災警報器の点検
- 外出・就寝前の火元確認
この“冬の危険性”を知っておけば、火災の多い季節でも安全に過ごすことができます。

