宇宙天気予報を運営する情報通信研究機構(NICT)によると、日本時間11月11日午後7時4分に太陽面北西付近の黒点群(番号14274)でX5.1クラスの大規模太陽フレアが発生しました。
太陽フレアとは、太陽の黒点付近など磁場が複雑にひずんだ領域で、蓄えられた磁気エネルギーが一気に解放される現象です。発生時には紫外線やX線、電波などの電磁波が強く放射されます。フレアの強さは X>M>C>B>A の順で分類され、Xクラスが最も強力です。今回のX5.1クラスは、非常に強力なフレアにあたります。
太陽フレアとCMEの違い
太陽フレアと同時にしばしば発生するのがコロナ質量放出(CME: Coronal Mass Ejection)です。CMEは太陽の上層大気であるコロナから大量のプラズマや磁場が“泡”状に吹き飛ぶ現象で、太陽風より速く地球まで数日で到達することがあります。CMEが地球に到来すると、地球の磁気圏や電離圏に影響を与え、磁気嵐・オーロラ・通信障害などの宇宙天気現象を引き起こす可能性があります。
今回も、黒点群14274から複数回のCMEが放出され、今後1~2日以内に地球に到来すると予測されています。これにより、地球近傍の宇宙環境や電離圏、地磁気が乱れる可能性があります。
過去の太陽フレアとの比較
今回のX5.1クラスフレアは、直近の大規模フレアと比較しても非常に強力です。
- 2025年11月9日午後4時35分:X1.7クラス
- 2025年11月10日午後6時19分:X1.2クラス
- 2025年11月11日午後7時4分:X5.1クラス(今回)
さらに、2024年5月に発生した規模はX8.7、同年10月はX7.1でした。太陽フレアの強度は時間や黒点群の活動に応じて大きく変動します。
どのような影響があるのか?
太陽フレアやCMEによる地球への影響は次の通りです。
1. 衛星測位システム(GNSS)の誤差増大
高精度測位を利用するシステムに影響し、測位誤差が増える可能性があります。
2. 短波通信の障害
特に高緯度地域では通信が途絶する場合があります。強いフレア時には「デリンジャー現象」が発生し、短波帯の電波が吸収されることもあります。
3. 衛星運用への影響
静止軌道や低軌道の衛星に高エネルギープロトンが到達し、機器に影響を与える可能性があります。11日には、静止軌道で観測される10 MeV以上のプロトンフラックスが1000 PFUを超える高い値で推移しています。
4. オーロラの発生
高緯度地域では、通常より鮮やかで広範囲のオーロラが観測される可能性があります。
私たちができること
地球に影響がある太陽活動は、日常生活に直接的な被害を与えることは少ないですが、衛星測位や通信、電力インフラには注意が必要です。特にGNSSを利用した高精度測位が必要な業務や、航空・船舶の運航に関わる場合は、最新の宇宙天気予報をチェックしておくと安心です。
まとめ
- 11月11日午後7時4分、黒点群14274でX5.1クラスの大規模太陽フレアが発生
- 複数回のCMEが地球方向に噴出し、今後1~2日以内に地球に到来
- 影響としてGNSS誤差増大、短波通信障害、衛星運用への影響、オーロラ発生の可能性
- 最新の宇宙天気予報の確認が重要

